2024/08/14
新築の住宅を購入する際の諸費用にはなにがある?金額の目安も解説
「憧れのマイホームは、やはり新築がいいな」と思う人は多いでしょう。そんなときは広告などの物件情報を見ながら、「このくらいの値段だったらギリギリ買えるかなあ」と胸算用するかもしれません。
でも不動産を購入する時は、土地と家の金額だけでは買うことができません。今回は、新築の住宅を購入する際の諸費用について取り上げます。
不動産売買の際に発生する主な諸費用
家や土地を購入する際は、いろいろな手続きとそれに伴う諸費用が発生します。
費用の内訳や金額は、物件の内容や取引の形態によってさまざまです。
しかしいずれの場合も、物件価格に対しておおむね1割程度のプラスアルファのお金が必要になると考えておいた方がよいでしょう。
売買契約に関する費用
不動産業者が仲介する物件の場合は、仲介手数料が必要です。
売買価格が400万円を超える場合は、物件価額の3%+ 6万円+消費税が、仲介手数料の上限となります。
新築住宅の場合は仲介を通さずに、ビルダーから直接購入する場合も多いでしょう。その場合は、仲介手数料は不要です。
また、売買契約書には、収入印紙を貼付しなければなりません。
登記に関する費用
土地や建物は、当事者同士だけで勝手にやりとりすることはできません。
人間が戸籍を登録しなければならないのと同様に、登記という手続きによって土地や建物の所有者を公的に登録する必要があります。
不動産売買によって、土地の所有者を現在の持ち主から購入者へ変更するのが、所有権移転登記という手続きです。
所有権移転登記手続きには登録免許税という費用がかかります。
登録免許税は土地の場合不動産価額の0.2%です。
登記手続きは通常司法書士に依頼するため、司法書士への報酬支払も発生します。報酬金額は司法書士によって異なりますが、おおむね5〜10万円程度です。
また新築の場合、元々あった土地を宅地用に造成・分割することがあります。この場合新たな住所が増えることになり、表題登記という手続きも必要です。
表題登記は測量などを伴うため、地家屋調査士へ依頼することになります。土地家屋調査士の報酬は、だいたい7〜12万円程度です。
参考:日本土地家屋調査士連合会 業務報酬統計資料
https://www.chosashi.or.jp/association/disclosure/reward/
住宅ローンに関する費用
住宅購入費用を現金一括で支払う場合は別ですが、通常は住宅ローンを組むことになるでしょう。
銀行など金融機関でローンを借りる際にも、さまざまな手数料がかかります。
例えばローン保証料です。
ローン保証料は借り手が万一返済不能状態になった場合に備え、銀行に対して立替を行う信用保証会社へ支払う料金です。
あくまで銀行に対する保証であり、借主から見れば万一の際は信用保証会社へ債務が移転するだけである点にはご注意ください。
ローン保証料は一括で支払う場合と、ローンの金利に上乗せされる場合があります。一括で支払う場合は、借入金額の2%程度の金額が必要です。
また、借り手が死亡した場合に備えて団体信用生命保険、購入した住宅が火災で焼失した場合などに備え火災保険への加入を求められることが一般的です。
これらの保険は加入条件によって保険料が大きく変わるため一概には言えませんが、当初手続きの際に10~20万円程度かかると思っておいた方がよいでしょう。
また多くの場合、毎年あるいは数年に一度更新保険料の支払も発生します。
事務手数料あるいは融資手数料の支払いが必要な金融機関も多いです。
手数料は3〜5万円程度で設定されているか、もしくは保証料と一緒に金利へ上乗せされる場合もあります。加えてローンの契約書に貼付する金消契約書印紙代が、融資金額1,000万円超5,000万円以下の場合2万円かかります。
さらに購入する土地や建物を担保とするため、抵当権設定登記という手続きも求められます。
抵当権設定とは「この土地・建物は、この金融機関が担保にしていますよ」ということを登記上明記することで、ローン借入金額の0.4%の登録免許税がかかります。
この手続きは先述の所有権移転登記とは別になっており、こちらはこちらで別途司法書士手数料が発生します。
不動産取得税などの費用
不動産を所有していると、固定資産税を毎年支払わなければなりません。
参考:総務省 地方税制度|固定資産税
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html
納税義務は1月1日時点の所有者に対して発生しますが、新築住宅購入の際は引き渡し日から年末までの残期間に対する日割金額を買い手が売主へ支払うのが通例です。
また不動産を購入した場合は不動産取得税がかかります。
不動産取得税は取得した土地や建物の税務上の評価額(固定資産税評価額)に対して4%です。
新築住宅購入に関連して発生するその他の費用
ここまででも既に「そんなにいろいろ諸費用がかかるのか!」と思われたかもしれません。
先述の通り、物件価格に対してだいたい1割程度の金額が別途必要だと考えておくとよいでしょう。
しかしこれらの費用は不動産業者や金融機関へまとめて支払うため、実際の支払回数は2回程度となります。司法書士なども売主側が手配するため、買い手側としてはあまり面倒な手続きはありません。
一方で買い手側自身で考えなければいけない別途費用も、実はいろいろあるのです。
設備関係費用
新築住宅とは言え、空調・電話・ケーブルテレビ・インターネット回線・ホームセキュリティなどが最初から備わっているとは限りません。
特に分譲住宅などの場合あらかじめオプションで注文しておくことができずに、別途自分で手配しなければならないことがあります。
特に空調は新築後各部屋にエアコンを取り付けようとすると、エアコン取付工事の費用も発生しますのでかなりの金額が別途必要です。
新築の住宅を購入する際は、こういった各種設備がどこまで付属しているかしっかり確認するようにしましょう。
引っ越し費用
新築住宅を購入したら、そこへ入居するための引っ越し費用が必要となります。
荷物が少なければレンタカーでバンや軽トラックを借りて自分たちで行うという方法もありますが、一戸建てへの転居となると通常は荷物が多く業者へ頼まざるをえないでしょう。
春先など引っ越しシーズンだと、4人家族程度の規模でも引っ越し費用が20万円ぐらいかかることがあります。
新築住宅を購入する際は、引越しの費用も予算の中に含めて考えるようにしましょう。
まとめ
ご説明してきた通り、不動産を購入する際は物件価格の1割程度の諸費用がかかります。
ただし新築の場合はビルダーから直接購入することで、仲介手数料はかからないケースも多いです。
その場合でも、登記やローンなどについてはやはり費用が発生します。さらに購入後に追加で発生する設備関係費用や引っ越し料金についても、考えておくようにしましょう。