2024/08/22
新築物件の購入にかかる諸費用はいくら?内訳と費用を抑えるポイントを解説
新築物件の購入には、土地や建物本体のほかに諸費用がかかります。
今回は、新築物件の購入時に発生する諸費用の内訳や金額、諸費用を抑えるポイントを詳しく解説します。諸費用に関する知識を深めて、お得に新築物件を購入しましょう。
新築物件の購入にかかる諸費用の相場は?
ハウスメーカーや仲介業者で新築物件の販売価格が表示されていることがありますが、それはあくまで土地と建物本体の金額であり、住宅購入時の諸費用は含まれていません。
販売価格の約10%が諸費用の相場といわれており、物件販売価格にプラスして数百万円単位の費用が必要になると考えておいてください。
仮に土地と建物本体の価格が3500万円の場合は、約350万円が諸費用として必要になるため、支払い総額は約3850万円の計算になります。
しかし、土地や建物本体と違って、諸費用は節約することが可能です。これから新築物件の購入を考えている方は、諸費用に関する知識を深めて、費用を節約していきましょう。
新築物件の購入にかかる諸費用の内訳
新築物件の相場は、注文住宅で約4500万円、分譲住宅で約3600万円といわれています。
数千万円もの高額な買い物になるため、少しでも節約したいと思うはずです。しかし、節約が可能な部分は、物件購入時の諸費用のみといわれています。
節約を成功させるためには諸費用の内訳と意味を理解しなければいけません。ここでは、新築物件の購入にかかる諸費用の内訳について詳しく解説します。
手付金
新築物件の購入が決まり、ハウスメーカーや工務店と売買契約を結ぶためには、購入価格の一部を手付金として先払いする必要があります。
手付金の相場は、購入価格の5〜10%とされており、現金での支払いが基本です。そのため、物件の売買契約をする前に、ある程度まとまった現金を準備しておく必要があります。
また、自己都合で物件購入をキャンセルしても手付金は返金されません。仮に3850万円の物件契約をキャンセルすると、最低でも200万円近い手付金を失うことになります。お金を無駄にしないためにも、物件購入は時間をかけて決断しましょう。
印紙税
新築物件に限らず、不動産売買の契約を結ぶ際には印紙税が課せられます。
代表的な印紙税は、新築物件ハウスメーカーや工務店と交わす不動産売買契約書と、工事業者と交わす工事請負契約書の2つです。不動産売買契約書と工事請負契約書の印紙税は、以下を参照ください。
不動産売買および工事請負における印紙税(軽減税率適用の印紙税)
- 売買価格が500万〜1000万円以下:5千円
- 売買価格が1000万円〜5000万円以下:1万円
- 売買価格が5000万円〜1億円以下:3万円
また、注文住宅を契約する場合は土地売買契約書を交わす必要があるため、さらに印紙税が追加されます。
登録免許税
新築物件を購入する際には、土地と建物それぞれの所有権を登記する手続きが必要です。登記ごとに登録免許税が発生し、新築戸建て物件の場合の税額は、課税標準価格×税率で算出されます。
各種登録免許税
- 土地の所有権の移転登記:土地の評価額×2%
- 建物の所有権の保存登記:建物の評価額×0.4%
- 建物の売買による所有権の移転登記:建物の評価額×2%
- 新築の所有権保存登記:0.4%
なお、登記申請にあたって不動産がある市町村発行の証明書を添付することで、軽減税率が適用されます。
司法書士への支払い
新築物件を購入した際の各種登記手続きは、必ずしも個人でできないわけではありません。しかし、必要書類が多く手続き自体も複雑になるため、個人で行うには難しいとされています。
そのため、不動産登記の手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。登記の種類や司法書士事務所によって異なりますが、司法書士にすべての登記手続きを依頼した場合の相場は約20万円といわれています。
火災保険料
新築物件を購入するにあたって、多くの方は住宅ローンを組むはずです。実は、住宅ローンを利用する条件として、火災保険の加入が必須とされています。
火災保険は、万が一自宅が火事にあった場合に、修理にかかる費用を保険金として賄ってくれますが、加入するには保険料を支払わなければいけません。
延べ床面積・建物形態・加入する期間や保険金額などの補償内容で保険料は変わりますが、約10万円前後が相場とされています。
地震保険料
日本は地震大国ですので、いつ大きな地震に見舞われるかわかりません。たとえ地震で新築の家が半壊・倒壊しても、住宅ローンの返済義務がなくなるわけではないのです。
そのため、新築物件を購入した際は、災害後の修繕費用の一部を補償してくれる地震保険に加入しましょう。地震保険料の相場は、年間2万円前後とされており、補償内容や建物の構造だけではなく、とくに建物の所在地で保険料が異なります。
しかし、地震保険単体での加入はできず、必ず火災保険とセットでの加入になります。また補償範囲は、火災保険の約半分とされており、なおかつ建物と家財のそれぞれで契約が必要です。
仲介手数料
仲介業者を通して不動産を購入した場合は、仲介手数料が必要になります。仲介手数料には上限が設けられており、400万円を超える不動産に関しては、以下の計算式で仲介手数料の上限が設定されます。
【仲介手数料の上限の計算式】物件価格×3%+6万円+消費税=仲介手数料の条件
たとえば、3500万円の新築物件を購入した場合の仲介手数料は、3500万円×3%+6万円+消費税=1,221,000円が上限となります。
住宅ローンの手数料
ほとんどの方は、新築物件を購入する際に住宅ローンを組むでしょう。実は、住宅ローンを組む際にも各種手数料が発生します。
住宅ローン申請時の主な手数料の相場
- 印紙税:1万円〜10万円
- 融資手数料:3〜5万円
印紙税は借入額によって異なり、融資手数料は住宅ローンを借りる金融機関や金利によって、手数料が異なります。住宅ローンを組む前は、各金融機関が取り扱う住宅ローンの内容をチェックしておきましょう。
まだある!家の引き渡し後(入居後)にかかる費用
これまでは、新築物件の購入から引き渡しまでに必要な費用の内訳を解説してきました。しかし、住宅を購入するということは、入居後にも費用がかかります。
ここでは、家の引き渡し後にかかる主な費用を解説します。
家具・家電の購入費
新築物件のデザインや間取りに合わせて、家具や家電を買い替えたいと思う方がほとんどではないでしょうか。
しかし、すべての家具・家電を買い替える場合は、数百万単位の費用が必要になるでしょう。たとえ一部の家具・家電の買い替えであっても、数十万単位の費用が必要になると考えられます。
人によっては、家具・家電の買い替え費用を住宅ローンに組み込む方がいると思いますが、その分毎月の返済額が増えることになります。本当に買い替えが必要かどうかを考えながら、しっかりと資金計画を立てることが大切です。
不動産所得税
新築物件を購入して土地や建物の所有権を登記すると、入居後に一度だけ不動産所得税が発生します。
地域や延べ床面積、評価額などによって税額は算出されており、数万円〜数十万円と開きがあります。不動産所得税を調べたい方は、以下の計算式で試算してみてください。
【不動産所得税の計算式】課税標準額×4%=不動産所得税
課税標準額とは新築物件の購入価格ではなく、都道府県の固定資産課税台帳に表示されている価格になります。また、不動産所得税には軽減措置がありますので、納税通知書が到着次第すぐにお住まいの役所に問い合わせてみてください。
固定資産税
新築物件を購入すると、毎年固定資産税を支払うことになります。
税額は、土地・建物・立地などの観点から算出された評価額に1.4%の税率をかけて割り出されます。現在は、土地と建物それぞれに一定期間のみの軽減措置が設けられているようですが、固定資産税を滞納すると不動産を差し押さえられてしまうため、毎年きちんと支払い続けましょう。
まとめ
新築物件の購入には、土地や建物のほかにも高額な諸費用が発生することを理解しておかなければ、予算を大幅にオーバーして資金集めに苦労することになります。
とはいえ、一部の諸費用に関しては、自分で手続きをすることで数万円〜数十万円の節約に繋げることができますので、新築物件の購入する際の不明な点はそのままにせず、きちんと理解したうえで手続きを進めることが大切です。